それって虐待?しつけ?見かけたときの対処法について

社会の目が虐待を防止する

こんにちわ、あさがお不動産の中島です。

今回は年々増加する児童虐待件数を鑑みて社会が直面する課題「それって虐待?しつけ?」通報するハードルの高さが社会問題を助長している問題について解説しました。

以前に【実際にDV被害にあった時の対処法について】という記事を書きました。なぜ不動産会社がこんな記事を書いているかは前回の記事を見てもらえれば幸いです。

通報・通告=リークする(情報を漏らし裏切る)などの感情が芽生えますが、目黒区や野田市、で起きた虐待死事件を考察すると、より周囲の目が、社会全体が、子供を守っていく(見守る)ことが大切であると感じました。

そして今回は子どもたちをどのようにして守るのか。まず個人ができることを解説しましたので読んで頂けますと幸いです。

前回記事【実際にDV被害にあった時の対処法について】はコチラ↓↓

実際にDV被害にあった時の対処法について

児童虐待相談件数と児童福祉法第25条

みなさんは、今現在どれくらいの虐待があるのか知っていますか?

厚生労働省は2018年度中に対応した児童虐待相談件数を15万9,850件28年連続で増え続けていることを発表しました。

どうやって虐待を世の中から減らしていくか。その手段の1つとして、社会生活における社会の目が必要だと考えます。

こちらが厚生労働省が好評した平成30年度の児童虐待相談対応件数など結果です。

厚生労働省 平成30年度の児童虐待相談対応件数等を公表結果


引用:厚生労働省

2019年8月1日、厚生労働省から公表された平成30年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数は15万9850件で、前年度より2万6072件(19.5%)増え、過去最多を更新となっています。

対応件数の内訳

心理的虐待88,389 (55.3%)
身体的虐待40,256 (25.2%)
ネグレクト29,474 (18.4%)
性的虐待1,731 (1.1%)

相談対応経路別件数

警察等79,150(50%)
近隣・知人21,440(13%)
その他18,138(11%)
学校等11,449(7%)
家族11,178(7%)

となっています。児童福祉法第25条では、「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合、全ての国民に通告する義務が定められています。」とされている。

つまり要保護児童を発見した場合、これを市区町村が設置する福祉事務所か児童相談所(児童委員)をに通告しなければいけないのです。

事件や有事事態に関係する警察や家庭、教育現場では一定の数値がありますが、まだまだ「近隣・知人」からの通報が少ないと感じてしまいます。

相談対応件数の主な増加理由は、心理的虐待に係る相談対応件数の増加、警察等からの通告の増加が指摘されています。

同時に公表された「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第15次報告)」では、平成29年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日までの)間に、心中13人を含む65人の子どもが虐待で死亡。

死亡した子どもの年齢は、0歳が28人(53.8%)と最も多く、うち月齢0か月が14人(50%)であったことなどが報告されています。(厚生労働省より)

児童虐待相談の対応件数及び
虐待による死亡事例数の推移

引用:厚生労働省

日々幼い命がこの世を去るという報道が相次ぎ、その報道を目にするたびに心を痛める方も多いと思います。

目黒区の虐待事件や千葉県野田市の虐待事件は皆様の記憶にも残っていることでしょう。

東京都目黒区虐待死事件

東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5歳)を虐待で死亡させた事件。判決は、結愛ちゃんを痩せ細らせ、死に追い込んだ食事制限や不保護を「苛烈(かれつ)」「悪質」と厳しく非難した。

判決によると、結愛ちゃんに対して「太った。締め直す」と言ったことを機に食事制限が始まり、2月上旬ごろからは極端に厳しくなった。結愛ちゃんは3月2日の死亡時、同年齢の平均体重約20キロを大幅に下回る約12キロしかなく、判決は「1カ月余りで体重の約25%が失われた」と指摘した。

母親は公判で「結愛をぼろぼろにして死なせてしまった」と述べるなど、重篤な状況を認識していた点は認めていた。ただ病院に連れて行かず、通報もしなかったのは「(夫からの)報復が怖かったから」と弁解していた。

(産経新聞)

千葉・野田小4虐待死事件

2019年1月に千葉県野田市立小4年、栗原心愛(みあ)さん=当時(10歳)が両親から虐待を受け、死亡した事件。

報告書では、野田市の担当部署や県柏児童相談所の対応のミスが重なり、心愛さんがSOSを発していたにもかかわらず、対応を修正することなく漫然と推移した経過が浮き彫りになった。

児童虐待事件では非常に珍しく、被害児童の心愛さんが虐待の事実を小学校に訴えていたにもかかわらず、心愛さんの命を救えなかった結果を招いたことを報告書は「何としても守られるべきだったし、救える命であった」と強調。

DVが絡む事件で被害を防ぐことができなかった結果は重大と言わざるをえない。(産経新聞)

なぜこのような事件が起こってしまうのか。

死に至る前に救えなかったのかを考えていくと、家庭の中のことは立ち入りずらいことですが、「あれ?なにかがおかしいのでは?」と思うことは周囲の目からみたときにたくさんあったのではないのでしょうか。

周りの目が全てではありませんが、社会全体で子どもを育てていくという意識。虐待かな?と思うことがもしあったら、仮に虐待ではなかったとしても、然るべき機関に通報をしていただきたい。

それが尊い命を救うことに繋がるからです。

虐待かも…通報先はどこ?

虐待かしつけかわからない

虐待を受けている子供や虐待をしている保護者には、つぎのような特徴が表れると厚生労働省は解説しています。一つだけでなく、複数の項目に該当したり、頻繁に見られる場合には虐待が疑われます。

子供について

・子供の泣き叫ぶ声が頻繁に聞こえる。

・不自然な外傷(あざ、打撲、やけどなど)が見られる。

・表情が乏しく活気がない。

・衣服や身体が極端に不潔である。

・ひどく落ち着きがなく乱暴、情緒不安定である。

・食事に異常な執着を示す。

・夜遅くまで遊んでいたり、徘徊している。

・理由もなく、保育園や学校を休みがちである。

 

保護者について

・子供を怒鳴りつける声がよく聞こえる。

・小さい子供を家に置いたままよく外出している。

・子供の養育に関して拒否的、無関心である。

・子供を甘やかすのは良くないと強調する。

・気分の変動が激しく、子供や他人にかんしゃくを爆発させることが多い。

・子供のケガや欠席について不自然な説明をする。

・子供がケガをしたり、病気になっても医者に診せようとしない。

・地域や親族などと交流がなく、孤立している。

上記のようなシーンを目撃した時、みなさんは通報先をご存知でしょうか。

あなたの周りに「虐待を受けたと思われる子供」、「虐待の疑いがある家庭」を見つけたとき、ひとりで悩まずに、お住まいの区市町村を担当する子供家庭支援センター、又は児童相談所にご相談ください。

児童虐待の通告先は市町村、福祉事務所、児童相談所です。通報先の連絡先をお伝えしていきます。

東京都福祉保健局 東京都児童相談センター・児童相談所

東京都の各所・各地域の連絡先はこちら↓

引用:東京都児童相談センター・児童相談所

お住まいの区市町村を担当する子供家庭支援センター

東京都各市区町村の各支援センターの連絡先はこちら↓

引用:東京都児童相談センター・児童相談所

「子供の泣き叫ぶ声がよく聞こえるけど、本当に虐待かどうか分からない・・・」、「もし虐待ではなかったらどうしよう・・・」と不安に感じるかもしれません。

しかし、たとえ虐待で無かったとしても、連絡をした人の責任が問われることはいっさいありません。連絡をした人の秘密は守られます

連絡を受けた相談機関は、いかなる理由があっても、連絡をした人の個人情報、又それを特定させるような情報を漏らすことはしません。連絡をした人に関する個人情報は必ず守られます。

全国児童相談所一覧

児童相談所全国共通ダイヤルの番号189
厚生労働省リンク


引用:厚生労働省

通報しない現実

もしかしたら虐待なのでは?そう思ったとしても通報しない理由は大きく分けて4つあると考えます。

時間的コスト

虐待?暴力?しつけ?教育?のボーダーラインがわからなくて躊躇してしまう

匿名性の問題

他人事

通報した方がいい。頭ではわかってはいても自分の生活だけで手いっぱいで通報できない。これから仕事や学校に行くそんなとき、通報という選択がとれるかといったらできない人がほどんどかもしれません。

虐待かもと思っても、その家庭ではしつけとしてやっていることかもしれない。

自分が通報したことがばれてしまったら、報復を受けるのではそう思うとこわくなってしまうのは厚生労働省の㏋の通告・相談への対応のところにも類似する記載があります。

通告をした人でも、通告者が個人の場合には、「虐待でなかったらどうしよう」と通告することを躊躇する気持ちや、「恨まれたり、責任を問われるのではないか」と通告後の事態への危惧感から不安な心理状態であることが多いのです。

通告することへの心のハードルが高いことが伺えます。

あとは自分の身近な人のことではないから、または虐待は自分の周りにはない、どこか遠くで起こる出来事だ、と感じる方もいて通報に至らないパターンもありえます。

過去の事例

当社でも建物の管理をしていると、住んでいる方の隣の部屋で赤ちゃんの泣き声が何時間も聞こえる、夜中に女性の悲鳴が聞こえてくるというようなご連絡をいただくことがあります。

自身が生活している部屋の隣で赤ちゃんの泣き声が何時間も聞こえたらあなたならどうしますか。

15分、30分じゃないんです。何時間も聞こえたら、それはもしかしたらという事態もありえます。

女性の悲鳴が聞こえたとき、それはもしかしたら、DV被害を受けている女性かもしれません。そして、DVが起きているところに虐待も隠れているのは、目黒区で起こった虐待事件からもみてとれます。

今回は児童虐待の記事を書きましたが、もしかしてDVを受けているかも…。という方は前回書いたこちらの記事を参考にしてください!

【実際にDV被害にあった時の対処法について】

実際にDV被害にあった時の対処法について

おわりに

隣居、近所で子どもの泣き声が何時間も聞こえる、尋常ではない声がする、そんなことが日常生活であった際、ためらうことなく通報していける社会になっていくことが、世の中から虐待をなくしていくことに繋がるとわたしたちは考えます。

あまり関わりたくないから、逆に恨まれたらどうしよう。通告することへの心のハードルは高いですがこの記事を読んで、社会問題への関心を持ってもらえますと幸いです。

最後まで記事を読んで頂きありがとうございます。北池袋という駅の駅前にある無名不動産屋ですが、これからも社会課題や地域社会の為の記事を書いていきます。

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