これってPTSD?
トラウマを引き起こす意外な事実と
治すためにできること
こんにちわ、あさがお不動産の早川です。
当店ではストーカー被害やDVによって避難せざるを得ない方のお部屋探しをお手伝いするケースが多々あります。
その方々の多くがPTSDという病気を抱えているのです。近年、耳にすることが多くなったPTSD。
日本では自然災害後にみられる症状というものとして、広く認識されるようになりました。
しかし、思いがけないことが原因で知らない間に過度のストレスがトラウマとなり、PTSDになっていることも少なくありません。
その意外な原因や症状や治療法、また大切な人がPTSDになった時にすべきことを解説いたします。
PTSD・心的外傷ストレス障害とは
PTSDとは一言でいうと「トラウマ」のことですが、神経症性障害の一つで、日本では心的外傷後ストレス障害と呼ばれます。
米国の調査では、人口の8%ほどでPTSDの発症がみられ、女性は男性の2倍以上の割合です。
急性と慢性があり、パニック障害や睡眠障害、ADHDなどの発達障害とも深く関連しています。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の意外な原因
PTSDが発症する原因はさまざまです。次のような出来事で命の危険を脅されたり、そのような場面を目撃することがきっかけです。
幼少期に経験し当時は何も感じなかったものの、大人になってその出来事を思い出し、PTSDを発症するケースもあります。
・自然災害または人災
・自動車や電車、飛行機などの事故
・身体的、性的、または感情的な虐待
・暴力や犯罪の犠牲者または目撃者であること
・親しい家族や友人の重篤な病気や死
日本では特に、自然災害後にPTSDという言葉をニュースなどで耳にすることが多いですが、学校または職場での虐めや、病気で大切な人を亡くした時の深刻なショックからのPTSDで苦しんでいる人も多いのが実情です。
突然、その場面を現実のように思い出し、恐怖感に襲われます。
また、テレビのニュースや動画などで激しい場面を見ることで、まるで自分が経験したかのように錯覚しPTSDを発症する人もいると言われます。
2011年の東日本大震災時には、繰り返し流れる津波の報道により、多くの人にPTSDの症状がみられました。
しかし、残酷な出来事を直接経験したり、目撃した人だけがトラウマを引き起こすというわけではありません。
例えば、「あの時の私が電話をしなければ、あの人は事故に遭わなかったかもしれない。」などと、その出来事が起こったのは自分の責任にあると考え、自身を責めることがきっかけになることもあります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
さまざまな症状
命の危険を感じるようなトラウマを経験すると、はじめはただ生きていることに安心感を覚えます。
その後、恐怖や怒り、ストレスなどを強く感じ、経験や目撃した出来事を知らぬ間に考えてしまうようになります。
PTSDには次のような症状があり、これらの症状が1ヶ月以上続き、日常生活に支障をきたす場合、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されます。
【PTSDに関連する一般的な症状】
1.起こったことの一部を追体験する
-鮮明なフラッシュバック
-侵入的な思考や想像
-悪夢
-痛み、発汗、吐き気、震えなどの身体的感覚
2.用心深さやいら立ちを感じる
-トラウマを思い出した時にパニックに陥る
-簡単に動揺したり怒ったりする
-極度の不安感や神経過敏
-睡眠障害
-過敏症または攻撃的な行動
-集中力の低下(単純なタスクや日常のタスクを含む)
-びくびくしたり、簡単に驚いたりする
-自己壊滅的な行動や無謀さ
3.感情や記憶を避ける
-忙しくなければならないような気がする
-トラウマを思い出させるものを避ける
-何が起こったかの詳細を思い出せない
-感情的に麻痺したり、感情から切り離されたりする
これらの症状は子どもにも当てはまります。国立精神・神経医療研究センターによると、幼少期に性的虐待などを受けた子どもは、認知機能が低下し、成人期以降にも長期的に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。
また、トラウマを経験した子供は、落ち着きがない、そわそわしている、または注意を払って整理することが苦手に見えることがあるため、PTSDの症状が注意欠陥/多動性障害(ADHD)の症状と混同されることがあります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は治る?
現在、PTSDの症状に苦しんでいる人にとって、「一生つらい思いをしなくてはならないのかもしれない」という不安や恐怖があるかもしれません。
しかし、PTSDは治療が可能な不安障害です。症状を改善し、トラウマをコントロールすることで不安を減少し、失った自尊心を取り戻していきます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療法
PTSDの治療には、パニック障害やうつ病など他の神経症と同じく、薬物療法と心理療法があります。それらを並行することで症状の改善を目指します。
【PTSDの薬物療法】
薬での治療は、トラウマで崩れている神経伝達物質のバランスを整え、悪夢やフラッシュバックで衝撃的な出来事を考えたり反応しないようにします。うつ症状がみられないPTSD症状にも、抗うつ剤が一番初めの選択として考えられています。
【PTSDの心理療法】
PTSDでは、衝撃的な出来事がどのように関係しているのかなど、思考パターンを整理する認知行動療法が中心となります。
トラウマがある行動について話したり、どのようにトラウマと共存していくかなどを医師やカウンセラーなどと考えていきます。
治療はトラウマと向き合うことから
いくら治療のためといっても、トラウマについて改めて思い出したり考えることは、決して楽なことではありません。
しかし、トラウマから逃げれば逃げるほど、その戦いは長くなると言っても過言ではありません。
恐怖を感じるのはどうしてか、例えば出来事で驚いた音なのか、視覚的なことなのか、自責の念からなのかを認識することで混乱した脳が少しずつ整理をすることに慣れていきます。
【トラウマと向き合うために】
経験したことや苦しんでいる症状について、心配している家族や友人に話してみましょう。出来事を無理に思い出す必要はありません。一度にすべてを話す必要もありません。
関係の近い人に言いにくい場合は、心療内科やカウンセラーに相談しましょう。PTSDで悩んでいる人は世界中にたくさん存在し、その状況は人それぞれです。
他の人に話すことが、トラウマを対処するきっかけとなります。
また、深い呼吸を行うヨガや瞑想は、場所も取らずに一人でできるので、PTSD治療の一つとして多く取り入れられています。
PTSDを含めたストレス障害では呼吸が浅くなることが多く、気づいたら数分間もの間、呼吸をしていなかったのではないか、というような経験をした人も。
普段から呼吸に意識を向けた生活にすることもPTSD症状を和らげる一つとなります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の人のためにできること
家族や友人などが何らかの出来事をきっかけにPTSDの症状で苦しんでいる場合は、次のような場面で日常生活に支障が出るため、心に寄り添ったサポートが必要です。
・記憶力や決断力の低下
・身の回りのことができない
・仕事や学校が続かない
・人間関係の維持が困難
・性欲の極端な変化
・楽しむことができない
このようなPTSDの症状がある人は自尊心が低くなったり、社会から孤立しがちです。
PTSDは直すことができるので、ひとりで悩む必要はないことを伝え、心療内科、精神科などから専門的な治療を受けられるようにしましょう。
カウンセリングは本人だけでなく、生活を共にする家族や身近な人も一緒に受けることがとても重要です。
さいごに
いかがだったでしょうか?このように、PTSD(心的外傷後ストレス障害)は複雑ですが、適切な治療で治すことができる不安障害です。
PTSDなのかも?と思ったら、専門の医師やカウンセラーへ相談しましょう。
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