これってアルコール依存症?
なりやすい人やその症状
治療とサポート方法とは
みなさんこんにちわ、あさがお不動産の早川です。
コロナ禍となり巣ごもり需要の高まりによって、自宅での飲食が増えたことかと思います。
特にアルコールの摂取量が増えた方も多いかと思います。「お酒は百薬の長」とも言われますが、それは本当でしょうか。
世界保健機関(WHO)によると、アルコールが原因での死亡者数は世界中で毎年300万人、特に10代~40代後半までの死亡原因の10%を占めるなど、重大な影響を及ぼしています。
日本でもアルコール依存症が社会的に深刻な問題となり、アルコール専門外来が増加。アルコール依存症は、お酒を頻繁に飲まない人でも発症している可能性があるといわれています。
今回はアルコール依存症の脅威となりやすい人の特徴・対策について解説しました。ぜひ参考にしてください。
アルコール依存症とは?
アルコール依存症とは、習慣的なアルコール摂取により、身体的にコントロールが効かなくなり、アルコールを欲してしまう依存の状態をいいます。
アルコールによりろれつが回らない、まっすぐ立てないなど一時的な症状や二日酔いになるだけでなく、脳神経や臓器にも重大な影響を及ぼします。
そのため、長期間の大量の飲酒を「ゆっくりとした自殺」と呼ぶ人もいます。
アルコール依存症チェック
まずはじめに、世界保健機関(WHO)によって作成されたアルコール使用障害識別テスト(AUDIT)の簡易版であるAUDIT-Cで、アルコールの乱用の可能性があるかどうかチェックしてみましょう。質問は3つのみです。
1.過去1年間にどのくらいの頻度でアルコールを含む飲み物を飲みましたか?
●全くない(0)
●月に1回以下(1)
●月に2回~4回(2)
●週に2回~3回(3)
●週に4回以上(4)
2.過去一年間に飲酒した1日では、アルコールを含む飲み物は何杯飲みましたか。
●1~2杯(0)
●3~4杯(1)
●5~6杯(2)
●7~9杯(3)
●10杯以上(4)
3.過去1年間に一度に6杯以上飲んだことはありますか。
●全くない(0)
●月に1回以下(1)
●毎月(2)
●毎週(3)
●ほぼ毎日または毎日(4)
【チェックの結果】
選んだ選択肢の後ろにある、()の数字をすべて足します。
女性の場合はスコアが3以上、男性の場合は4以上でアルコールの乱用の可能性があります。
※このチェックはアルコール依存症治療の第一歩として使用されるものですので、診断ではありません。
アルコール依存症になりやすい人と
気になる症状
アルコール依存症は、気質や家庭環境などが大きく関わります。
キッチンドランカーのように、夕食の支度をしながらお酒を楽しむという習慣から、アルコール依存症につながる人は少なくありません。
次のような人は、アルコール依存症になりやすい傾向があるか、既にアルコール依存症の可能性があります。
・男性で週に15杯以上、女性では週に8杯以上アルコール類を飲む
・週に1回だが、5杯以上飲む(暴飲)
・親がアルコール依存症の可能性がある
・うつ病、不安神経症、統合失調症などの精神的な疾患がある
・仲間からのプレッシャーを感じやすい
・自尊心が低い人
・高レベルのストレスを経験、またはストレスに弱い
・飲酒が一般的で受け入れられている家族や文化である
・飲酒に対して罪悪感がある
・二日酔いを治療するために朝に飲む
・体調がよくない時でも、飲酒しようとする
・飲酒について直面したとき怒りっぽくなる
また、アルコールは沈黙の臓器といわれる肝臓、腎臓、膵臓の病気につながるなど症状がすぐにあらわれなかったり、見逃しがちなので注意してみる必要があります。
アルコール依存症でみられる症状
・アルコールへの強い欲求
・飲酒していない時に禁断症状があらわれる。(身体の震え、吐き気、嘔吐など)
・アルコールが抜けてきた時の麻痺や震え
・飲酒時の記憶の喪失
・飲んでいない時の集中力・判断力の低下
・アルコール性脱水症状や肝硬変などの病気
アルコール依存症は治る?
アルコール依存症は本人がお酒をやめたいという強い意志と、家族や周囲のサポートにより治療が可能です。
専門的な診断による治療計画、家庭や専門施設での治療など様々な方法を組み合わせて行います。
アルコール依存症の診断と治療法
アルコール依存症を診断するうえで最も重要なのは、患者本人の意思と医師へ与える情報の正確さにあります。
飲酒の習慣や、飲酒をしていない時の言動、禁断症状や衝動などについて正直に伝えることが患者に適した治療を行うためには不可欠です。
アルコール依存症の治療は、症状によって外来で定期的な通院での治療も行われますが、専門的な施設での入院によるものがほとんどです。
というのも、アルコール依存症はお酒を全く飲まない生活、すなわち断酒から始まります。
多くの場合、通常土落ちの自宅の生活では、お酒をいつでも飲めたり、入手できる可能性があり、友人からの誘いなどの誘惑が多すぎます。アルコール依存症の治療には、そうした環境から一度離れて、治療に適した環境にすることが最優先になります。
アルコール依存症の
一般的な治療法
・心理療法
個別でのカウンセリングの他に医師を交えてグループで経験を共有しあったり、問題について話し合い、自身の状態を理解します。
・認知行動療法
飲酒の習慣や、飲酒によって起きた事実を再認識し、アルコール依存になったストレスなどの対処法などを身に着けることで、飲酒への間違った認識を改めます。
・薬物療法
アルコールへの依存が不安障害やうつ症状などによる場合は、抗うつ薬などを用います。その他肝臓など内臓の症状には、適した薬で治療を行います。
また、近年ではアルコール摂取の量をコントロールするために飲酒量低減薬も使用されています。
アルコール依存症にならないために
アルコール依存症は、習慣的な飲酒から知らぬ間に依存症になるケースがほとんどです。
本人がアルコール依存症になるかもしれない、または将来的にアルコールに依存しtれしまうかもしれないと少しでも思ったときに行動し、コントロールすることがとても重要です。
アルコール依存症にならないために
できること
・自宅にアルコール飲料を置かない
簡単に手が届かない場所へ遠ざけることで、飲酒する前に一度考えることができます。
・1日または1回の飲酒量を厳しく制限する
女性なら1日に1杯、または1回につき4杯。男性では1日に2杯、または1回につき5杯までが適量とされています。※体質や頻度によって大きく変わります
・お酒を飲まない人との交流
友好な人間関係を築くために、必ずしもお酒が必要ではありません。お酒を飲まない人との時間は飲酒の習慣を回避できる最良な時間になります。
・アルコールが、身体的・精神的に深刻な問題を引き起こすことを知る
大量のアルコール摂取は、脳にもダメージを与えるためコントロールが難しくなり、更なるアルコール依存を引き起こす可能性があります。
・家族や親しい友人に伝える
生活を共にしたり、多くの時間を共有する人へ伝えることで、物理的にはもちろん、精神的なサポートが得られやすくなります。
・早いうちに医師に相談する
アルコール依存症は早ければ早いほど、治療がしやすい症状です。少しでも心配になったら、専門医を受信しましょう。
家族がアルコール依存症の場合の
サポート
アルコール依存症は、本人の強い意志があって初めて治療が成り立つものです。しかし、自分自身が依存症であることを認めたがらないケースもとても多い上、その場合は重傷であるため、ご家族や親しい人のサポートが不可欠です。
では具体的にどのようにサポートをしていくかを見てみましょう。
ステップ1・アルコール依存症について学ぶ
まず、アルコール依存症であると判断する前に情報を得ましょう。先にお話ししたように、アルコール依存症は、時々飲みすぎるだけではなく、さまざまな兆候や症状があります。
ステップ2・かける言葉を考える
現在の飲酒習慣を見直す必要性と、いつでも力になれることを伝えます。どのように話すかを考え、衝動的な言葉や傲慢な態度で傷つけることが無いよう気を付けてください。どのような反応があっても覚悟することも大切です。
ステップ3・適切な時間と場所を選ぶ
この重要な会話をするために、プライバシーが守れた場所と充分な時間が必要です。飲酒している時には絶対に避けてください。
ステップ4・思いやりを持ってアプローチし、心に寄り添う
飲みすぎているのではないかと心配していることを伝え、あなたがサポートしたいことを彼らに知らせても、否定的な反応をするかもしれんませんが、それは自然なことなので受け入れましょう。決断をするための時間と距離を与え、本人の主張を聞きます。
ステップ5・サポートを提供する
治療を受けたくない人を強制することはできません。周りのサポートを必要とするかどうかを決めるのは本人次第です。自分でお酒の量を減らすなどとしようとするかもしれません。
しかし、既にコントロールできなくなっている恐れがあるため、きちんと治療をするように促します。
ステップ6・治療を始めることをお勧めする
具体的な治療へ向かって行動します。しかし、本人が他社の助けを得るこに強く抵抗がある場合は様子を見ながらになるでしょう。
家族や親しい友人を集め、本人と直接治療を促します。どのような治療があるか、そのために周囲がどのようにサポートしていくかをしっかりと話します。
また、家庭内にアルコール依存症に原因がある場合も少なくありません。依存症の本人だけでなく、家族が一体となってカウンセリングなど積極的に取り組みましょう。
さいごに
アルコール依存症は、心も体もボロボロにしてしまう恐ろしい病気です。
自分自身だけでなく、家族など親しい人に少しでもアルコール依存症の症状や兆候がある場合は、医師や専門家への相談をおすすめします。
飲み会に誘ったり、アルコールに関する話を目の前でしないなど飲酒を助長するような行為への配慮が望まれます。
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